白日朝日のほーもぺーじ

ブログタイトルほどほもほもしくはありません

『ちょびっツ』を観ている

 原作、アニメ版ともに開始されてから十年以上経っているという今さらではありますが、『ちょびっツ』のアニメ版を視聴開始しました。

 以前から近所のレンタルショップに置いていないか探してはいたのですが、見つからなかったので今回は潔くGYAOに課金しています。現代って良いですよね、わざわざ出かけて探さなくても古いアニメを見れたりするんだぜ。現代万歳。

 一話から六話まで、七話から十一話までとを購入していますが話数×80円+税だそうです。

 現在、九話くらいまで観ているところでまず一番最初に出てくる感想は「ちぃやばい、やばいって」ってことです。おおむね作品発表当時の現代を意識した世界観に、「PC」と呼ばれる人型のパソコン(見た目と手触りは人間そのもの、機能的には人間のように動いて喋るコンピューター本体ともいえる機械)が人間のために働いたり、ともに暮らしているというような設定だそうで、田舎から出てきて都会の予備校へと通うことになった主人公はひょんなことからゴミ捨て場に放置されていた少女型のPCを拾ってしまうという流れです。

 この時点で個人的にはなかなかにエグい設定ではあると思うのですが、なんというか、作品全体に漂うある種の道徳観みたいなもののラインが、序盤のほんわかした作風から考えるとかなりギリギリに設定してあるように思います。

 PCをほとんど人間として扱っているような人間もいれば、自律的に動いてくれる便利なデバイス程度として扱っている人間もいて、またこの作品の主人公である本須和秀樹のようにかわいい(この表現が微妙でめんどうくさいのですが)女の子として扱っているというように、この作品に登場する個々人でPCという存在への対応が違っているというのが提示されていたりもします。

 少女型のパソコンを所有するということは、見た目上だと少女を所有することとほとんど変わらず、秀樹によってちぃと名付けられた少女型PCも、最初はほとんどのデータがないため鳴き声のように「ちぃ」と言うだけしかできませんが、学習ソフトが搭載されているため物語が進むにつれて少しずつ言葉を覚えてゆき、意思の疎通もそれなりにできるようになります。

 話がそこまできてつい思ってしまうのは、「これ、事実上ほぼ人間じゃん」ということです。もちろん、機械であるという設定の部分で見た目が成長することはないとか、寿命というのが長くも短くも人間と変わるというのはあるのですが、序盤でのちぃは描写として多くの部分が「見た目が少女で、幼児のように知識を持たない生きもの」です。だからちぃは学習するためにひとつひとつ秀樹の行為を真似したり、秀樹の言葉ひとつひとつを反芻するのですが、その描写が非常にかわいい。むやみやたらに演出的なかわいい描写があるのではなく、言葉にした通りのことをちぃが行動するだけですが、そういうのが無茶苦茶かわいいんですね。ちぃが新しい言葉を覚える、ちぃが新しい振る舞いを覚える、その中でちぃが無邪気に秀樹に抱きついていくみたいなとてもプリミティブな秀樹に対する好意を素直に見せる……その全てが本当にかわいらしい。創作者目線みたいなところで言うとこれ、「むっちゃ卑怯じゃん、こんな愛玩吸引機みたいな設定ずるいよ」みたいな感じなんですが、絶妙に設定がエグいです。

 例えば、ちぃの起動スイッチにあたる部分、それは作品中だと女性器にあたる部分と表現されています。だからこそ、少なからず、何も知らない人間が「ちぃ」を起動しようとした場合、そういう部分まで触れてしまう人間にしか反応しないという、ある種のモラルみたいな線をちょっと乗り越えてからの好意の描写に向かっているんですよね。

 だからこそ、ちぃをただかわいくてあざとい設定のヒロインというような距離を置いては感じられず、SF的ともいえる、物語によるifを内包して受け手に迫るようなヒロイン像としても感じられるわけですね。自分が受け手として逃れられず、しかもかわいい。こういう女の子はそりゃやばい、というのがここまでの印象ですね。

 なんつうか、ちぃの描写は序盤段階だと女の子というかわいさよりも、秀樹が家に帰ってきたらまず喜ぶような鳴き声上げて抱きつくっていう、よく懐くペットの犬や猫みたいな愛玩動物の振る舞いなんですよね。そういう振る舞いのちぃをそのまま「すげえかわいい」って言い切ってしまう秀樹って相当に歪んでいるか、ちぃを田舎の牧場と同じ動物レベルとして愛しているかの二択だと思うし、ここまでの様子を見るに、ちぃの姿から年頃の女の子像はかなり強めに感じている(ちぃが裸のような格好をすることに慌てたり焦ったりしてしまう)ようですし、まあ前者に近いんじゃないかと。そういうのってどうかと思うんですけれど、まあ俺もこういう生きものすげえかわいいと思っちゃうんで、正直、真っ向から批判できる気しないんです。

 まあ色々な気持ちもあって、ちぃの存在はエグいしかわいいと思う気持ちがほんとうに強いですが、序盤の段階で歪んだクソ童貞としか思えない男子を主人公にするのってすげえ英断だなあと思いました。

 ちぃ、かわいい。ちぃ、おぼえた。