白日朝日のほーもぺーじ

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私的おすすめ漫画作品 10選

 選考基準は曖昧ですが、おおむね「俺は大好きだけど、身の回りであんま感想見ねえな」みたいな作品を選んでいる感じです。割とメジャーな作品、マイナーだけれど自分の周囲では良作扱いされていたり流行っている感のある作品は予めはじいております。

 

 作品はタイトル名順で並べています。

 

・あまりまわり(15/06/10現在、二巻まで刊行)

 まんがタイムきららキャラットで連載中の『Aチャンネル』でおなじみ、黒田bb先生が電撃のほうで書いている漫画作品になり、こちらはAとは違い四コマ形式ではなく、主人公も男キャラだったりします。大まかなあらすじとしては、いぬねこ大好きモフモフしたい系男子大学生のハルと、児童養護施設で暮らすキラキラするもの大好き少女アマリがひょんなことから出会って、アマリ大好きな女の子のキョウカはじめ施設のゆかいな仲間たちといろいろ交流するお話です。

 この作品のなにが良いかって、まー無口系髪の毛もさもさ少女のアマリのかわいさがまずひとつ。アマリという少女、口数少なではあるんですがbb先生の描く表情がとても雄弁で主人公にはあんまり伝わらなくても読者にははっきり伝わっちゃう感じが良いです。また、アマリには子供っぽさ由来の不器用さがあって自分の思ったことを上手く伝えられないものの、心根はとても素直なので彼女のまっすぐ気持ちが伝わっているときの破壊力がとても強いんですね。

 あと、それと並ぶ特徴としてこの作品はAチャンネルより露骨にフェティシズム描写が多いです。ラッキースケベとかそんなチャチなもんじゃねえ。なんなら作品テーマがフェチかよというレベルでまあずっとフェチです(なんも言ってねえなこのくだり)。この辺を詳しく説明することもできるのですが、概ねのところはAチャンネルでちょいちょい挟まれるフェティッシュな感じが、やや歯止め効かなくなって頻発している感じを想像してもらえるといいような気がします。Aチャンネルをそういう視点から消費している層にとっては非常にパフォーマンスの高い作品になっております。今後どういう展開をさせていくのかについては意外と見通しの効かない作品なのですが、一巻より二巻のほうがだいぶフェチ歯止め効かなくなっている感じなので、もしかしたら三巻はさらにそっちのほうへと舵を切るのかも知れませんね。

 

・現代魔女図鑑(現在、二巻まで)

「現代の日本、魔女が当たり前のように存在し、社会や文化に根ざして生きる世界」という場所を舞台としたオムニバス形式の作品です。この作者さんの作品に触れるのはこれが初めてなのですが、繊細な線、実に豊かな感情の描写、描き込みの緩急やそこから生まれるダイナミックな構図の演出など、とにかく「きれい」で「つよい」漫画を描く力がとても強い作者さんという印象です。だからといって美麗な絵だけに終わって筋書きについては弱いかというとそんなことは全くなく、内容についてもその「絵」から喚起されてくるエモーショナルな感じを上手く絡めて一話一話端正に作り上げている感じです。

 作画能力だけでも割と異能なこの作品ですが、この舞台設定をすんなり受け入れさせる構築力や手順というのもかなり優れていて、一話を読み終える頃には「ああ、こういう感じの舞台か」というのは大体掴めるものかと思います。Kindleやニコニコ静画などに冒頭の試し読みがあるようなので、どういう作品か掴みたいかたはそちらを読んでみると良いかもしれません。

 

・恋は光(現在、二巻まで)

 生々しいいちゃラブを描かせたら読者側が糖分の過剰摂取になってどんどん砂糖吐き出すマシーンにさせられる秋★枝先生の現在の連載作品ですね。

『恋愛視角化現象』の路線に近いと言いますか、主人公である男子大学生の西条は「恋をしている女性を見るとその女性が光って見え」、事実としてこれまではその感覚が的中しているというという異能的な感覚の持ち主なのですが、その能力ゆえなのかこれまでまともに恋をしたことがないというちょっとしたズレた人間でもあり、そんな彼が同じく「恋を知らない」という女子大学生の東雲さんに惚れるところから物語はスタートします。

 ……と表現するとただの純愛作品っぽいのですが、ここに厄介な問題がありまして、西条にはいつも隣にいて楽しく話をしたりお互いに相談役にもなる北代という幼なじみな女友達がいるわけです。しかも、西条はこともあろうにその北代に東雲さんと仲良くなる仲介役を頼み出て、しかも北代はそれを了解するわけですね。はい、そこの幼なじみ好きひとり死んだ! とまあ、この作品の図式はまあまあエグめです。序盤は西条も北代も割とカラッとした感じでこの辺りの関係性を流していくのですが、お話が進むにつれてどんどんややこしさが増していきます。女性陣が西条に対して光を放つか否かというのが筋書きとしてはキーポイントになるのですが、まあその辺は読んで確かめて欲しいところ。

 秋★枝先生作品らしい特徴として、恋愛感情やそのあたりのステップの踏み方への考察が非常にがっちりとしているので、ちょくちょく北代が西条の恋愛相談に乗るあたりのくだりも、そこだけ抜き出して恋愛アドバイス漫画にしても面白そうなくらいです。

 作品としてはまだ二巻、現状でも抜群に面白いのですが、ここから砂糖を吐くのか血を吐くのか、願わくばどっちも吐き出すくらいの面白さになればいいなと期待している作品です。

 まあ、試し読みあるらしいんで適当に検索して読んでください。(てきとう)

 

・少女公団アパートメント(二巻完結)

 まんがタイムきららのドキドキビジュアルコミックスです。

 団地で暮らす少女たちが仲良く遊んだり、散歩したり、部屋でのんびりしゃべったり、ピクニックしたり、仲良く遊んだりするほとんどそれだけのお話です。

 それだけの話なのですが、女の子がかわいくて、乳が薄……スレンダーで、あとまあ、キャラクターのヘアスタイルがしょっちゅう変わったりして、なんというか、変なフィルターを出来るだけかけずに女の子をかわいいものとして描こうとしている感じが特異性で、おすすめしている側なのに上手く表現できないのがもどかしいのですが、「女の子が集まって楽しそうにしているだけの漫画」をある意味で煮詰めずに突き詰めたような作品で、そういうところが魅力的なので、まんがタイムきららのドキドキビジュアルコミックス的なものが好きなだけどまだ未読というひとにはぜひとも読んで欲しいんだよなあ……。

 

・じょしけん。(現在、一巻まで)

 つぼみコミックスですが、概ねまんがタイムきららのドキドキビジュアルコミックスです。

 これもまあ先述の少女公団と同じく女の子が仲良く遊んだり集まって楽しそうにしているというのがほぼ大部分の漫画です。こちらは四コマ作品ではないのですが、作品を貫く色調としてはふつうに「Aチャンネル」や「きんいろモザイク」なんかとも通じるもので、むしろ百合レーベルで扱うものとしては『ゆるゆり』みたいな異端さがあるような感じです。

 筋書きは、頭が良いけど勉強漬けで女の子と馴染めてこなかった「小金井こがね」という低身長貧乳な眼帯少女が、「女子校に通って女子高生の生態を研究するぞ」という意気で転入するも、まあ実際のところはクラスの女の子と友だちになって女子高生らしいことをするんじゃぞい、みたいな感じです。

 この作品の一番の魅力は、作者であるのん先生の描く女の子がかわいい。というところにあるのではないでしょうか。この作者さんは元々、京アニのアニメーターであり(wikipedia参照)、『中二病でも恋がしたい!』原作で挿絵を担当していたような、とても強く「京アニ」感の漂う経歴の持ち主なのですが、このじょしけん。という作品も非常に京アニのアニメっぽい漫画に仕上がっています。なんなら原作『けいおん!』よりもアニメ『けいおん!』臭がするくらいです。キャラクターデザインは言うに及ばず、細かく手や脚に演技をさせる登場人物の細かな仕草の描写、こういうところまで意識が通っている(っていうのと、その手法の癖の)感じが非常に「けいおん!」前後頃の京アニっぽいわけですね。

 そして一方で、この作品には吉住とかいうかなりズボラな女の子が出てきます。制服のボタンは掛け違えとるわ寝癖はそのままだわ雑だわ、体操服は一週間持って帰らないわ。体操服は一週間持って帰らないわ。体操服は……(以降リフレイン)そういう雑な女の子でも、見た目と仕草と雰囲気と関西弁がかわいいのでやっぱりかわいいわけですね。別に僕は体操服を一週間持って帰らない女の子に対して深い執着があるというわけではありません。そして、唯一ストレートに百合レーベルらしさを持つ笹原さんのこう説明のめんどくさいかわいさも良いし、あと吉住の妹であるもえみちゃんの姉介護担当妹っぽさもとても良くて良いです。

 現在、一巻だけしか出ておらず、つぼみ自体が休刊していることもあって、続きは出ないのかな……という状態ですが、魅力的な作品であることは間違いないので読んでほしいし、これ面白いよってうるさく言ったら続きも出るかも知れんやん? という話なので読め。

 

・閃光少女(三巻完結)

 カメラマンの道に挫折した主人公が、高校の写真部の顧問を断りきれずに担当することとなり、そこでの出会いによって、カメラへの情熱や心の内にあるまま蓋をされた色んな気持ちを取り戻していくというお話で、いわゆる青春モノ的な感じではあるのですが、この作者さんはお話からエモーショナルな感情を引き出すのがやたら上手く、前作である『夕焼けロケットペンシル』で見せたその片鱗を更に研ぎ澄まして一作品として書ききっています。元プロカメラマンの濱野、写真部のヒカリ、このふたりを中心として「カメラが好きだからこその道を迷いながら進んでいく」という姿がとても真摯に描かれており、とても心に刺さります。

 青春モノとしてだけ捉えるのではなく「創作者へ向けた作品」という部分も感じられて、今では個人的にとても思い入れの深い作品となっています。三巻で終わるコンパクトな作品なので、気軽に手にとってみて欲しいですね。

 

・父とヒゲゴリラと私(現在、三巻まで)

 知っているひとは知っている、知らないひとは覚えて帰ろう。この作品の作者である小池定路さんは、アボガドパワーズというメーカーから発売された良作美少女ゲーム終末の過ごし方』などの原画家をされていた方(当時は別名義だったかと)で、現在はコミック連載がメインフィールドの作者さんです。ちょい古参エロゲーマーにとってはちょっと感慨深い名前なのです。

 さて、この作品には取り立ててエロはありません。妻を亡くしたおっさんと娘、そしてそのおっさんの家に住む弟のおっさんが中心となる四コマ作品です。娘は幼稚園に通っていて、弟のおっさんが世話したりもするみたいな感じ。大まかな雰囲気は『よつばと!』めいてもいるのですが、この作品はかなりおっさんのコミュニティについて深く掘り進んでいきます。というか、ゆっくりとおっさんが恋愛方向に磁場を持っていかれるようなお話です。おっさんかわいいですがおっさん同士の恋愛ではありません。

 穏やかな話なのですが、時折、ちらりと落ちる影のようなものがとてもよく効いていて、ただ平和で静かな作品に終わらない深みを感じさせてくれます。四コマとしてもしっかりしていて、読み味がとても良いです。三巻段階で物語としては少しずつ終わりへと向かわせているのかなという雰囲気が感じられてきたので、五巻くらいでまとまるんじゃないかなあとどっかで考えています。

 穏やかさと優しい視点を持った良い作品なので、おすすめですぞ。

 

・ネコあね。(六巻完結)

「家で暮らしていた猫が、猫又になったので人間になれるようになりました。姿は女子です」という設定のこの作品、まあ漫画や美少女ゲームに限ることなく設定としてはかなりありがちで斬新さに欠けるのですが、この猫というのが主人公である銀ノ介(両親を亡くし、祖母の家に引き取られている)がこの家にやってくる前からその家で暮らしているという理由から、彼の「姉」として振る舞おうとするところで独自性が上手く出ています。

「銀ノ介よりも長くここにいるんだから、猫として彼を慰めたり助けたりいっぱいしてやったんだから」という自負でお姉ちゃん面をしながらも、人間としての文化の理解にはまだまだ乏しくて、なんならやっぱり元動物だし、さらに銀ノ介は銀ノ介なりにしっかりと成長しているしでなかなか姉ぶれない猫又の杏子というズレた感じをほんわかとしたコメディに見せてくれます。そういった些細なキャラクター同士の気持ちの扱いが上手くて、読んでいるうちに応援してあげたくなるというか、善意同士が上手く通じ合うようにしてあげたいというような気持ちにさせられます。

 そんな心根の良いキャラクターばかりが登場するこの作品、別に平和なだけで終わるわけではありません。徐々に、物語の終わりに向けてお話が動いていきます。後半は後半でやっぱりある意味ありがちなお話ではあるのですが、キャラクター感情の積み上げがとても上手く出来ていて、終盤はほとんどボロボロ泣きながら読んでいました。それでも、読後感は「ああ、良いなあ」でじんわりと締めることができます。

 また、読み終えてから感じられるものがいろいろある作品なのでとても強くおすすめしている……んだけど、あんまり読んでくれるひとがいねえ……。

 

・箱入りドロップス(現在、三巻)

 現在、まんがタイムきららで連載中、箱入り少女の雫が主人公である陽一の暮らす家の隣に住むことになったところからスタートするこのお話。シチュエーションとしてはややありがちとも言えるのですが、登場人物が増えていくことが上手く作用している作品でもあり、この作品は一巻というよりむしろ二巻三巻となるにつれて、登場人物同士の関係性の動きがはっきりと現れてきて面白くなります。

 箱入り娘で素直でかわいい雫、その雫が危なっかしくて放っておけない陽一、さらに雫のことがかわいくて仕方ない女子勢、あと相ノ木の妹、ほか(相ノ木)など登場人物の配置と動かし方への安心感がとてもあって、しかもかわいいだけじゃなくラブコメディーとしてもしっかり動かすことができている良い作品です。

 特に二巻の締めであるバレンタインのお話の破壊力はとても高かったですね。

 アニメ化も有りそうな気のする作品ですし、確かどっかで盛り上がっていた作品だったと思うので、あんまりマイナーではないかもです。とはいえ、あまりおすすめを公言していた作品ではないので、ここでひとつ。面白いです。

 

ひよぴよえにっき。(二巻完結)

 まんがタイムきららのドキドキビジュアルコミックスです。

 小学五年生のおんなのこが二歳になる妹のお世話をする、ほぼそれだけのお話です。まあ、きらら系の作品には「女の子が○○するだけ」というような作品がそれなりに多いとは思いますが、この作品はそういったなかでも特異なくらいにずば抜けて「○○するだけ」であり、かなり閉じた作品です。なんならほとんどの場面が家のなかだけで構成されていますし、一巻はほとんど他の人物が出て来ません。姉であるちあき、妹のはる、はるがちあきを好きで、ちあきがはるを好き。それ以外にほとんど無いです。

 そういうぶち抜けた作品であり、その表紙帯にある「いまのふたりは、ふたりだけのもの。」「おねーちゃんと、いもーとと。ふたりはなかよし」という言葉はまさに象徴的。妹の世話をがんばる女の子かわいい、幼児かわいい、要はちっちゃい女の子かわいい。そういうものの結晶みたいになっております。別に俺がロリコンだからこの作品が好きなんじゃなくて、好きな作品がたまたまちっちゃい子ばっかりだったんだということをここに声高く弁明させていただきたい。

 いわゆるロリコン向け漫画というのは色々と存在するのですが、その手の作品にありがちな歪んで汚れた欲望感あふれるフィルターではなく、透明すぎて逆にプリズムを放つような独特の作品です。こう言うと、癖が強い作品に感じられるかもしれないですが、四コマ漫画としての精度もすごく高く、しっかり面白い上で突き抜けているので、邪悪な欲望を抱えたロリコンどもはこの作品読んで浄化されろ。(たぶん浄化されない